猫目先輩の甘い眼差し
けれど、1度この目で噛まれた痕を見ているため、安易に「やってみたら?」とは言えなかった。
だってもしケガしちゃったら、部活が楽しめなくなっちゃいそうだし。
それに、今作ってる家具もGWに間に合わなくなるかもしれないし……!
「ごめんね。せっかく楽しんでたのに」
「ううん! 私こそ、ふざけたこと言っちゃってごめんね」
謝り返した彼女の前髪の隙間から、下がった眉尻が見えた。
……いくら心配だからって、もう少し優しい言い方あったでしょ。
そもそも、ただ反応が気になっただけで、「やってみようかな」なんて一言も言ってない。
友達なのに、変に気を遣わせてどうするの。
ホームルームが終わり、次は月香ちゃんに写真を見せてもらうことに。
「ええっ⁉ これ1人で作ったの⁉」
「うん。これは去年の夏休みに作ったかな」
小さい引き出しが2つ並んだ木製の棚。
下にはキャスターがついていて、自由に動かせるらしい。
「あとね……これ! クリスマスケーキ!」
「わぁ〜! 美味しそう!」