猫目先輩の甘い眼差し
笑顔でスマホを見せてきたのは、2週間前に入部したばかりの1年生の子。
ここは犬グループの中でも、日本犬好きが集まっている。
今日は女の子数人しかいないけど、全員合わせたら10人以上いて、男の子も何人かいるんだ。
「さすが雪国出身のワンコ。毛の密集度がすごいね」
「ですよね! 抱きしめたら気持ちいいんだろうなぁ」
「わかる。顔うずめてみたいよね」
動画を観ながら、頬を緩ませる彼女に同意する。
外ではしゃいでいたシーンが終わって、今度は家の中で子どもと遊ぶシーンに切り替わった。
抱きつかれたり、頭をワシャワシャ撫でられたりと、されるがままのワンちゃん。
最後は仲良く一緒にお昼寝で幕を閉じた。
「可愛かった〜! やっぱり日本犬最高!」
「だよね! なんだか会いたくなっちゃった」
湧き上がってきた思いをポロッとこぼした。
私も昔、背中くっつけて寝てたなぁ。
お母さんの話だと、赤ちゃんの頃から面倒見てくれてたんだっけ。懐かしい。
「もしかして、前に話してた柴犬ですか?」
「うん。写真あるけど見る?」