猫目先輩の甘い眼差し


女の子達に尋ねると、「見たいです!」とすぐ返事が来た。

スマホのアルバムアプリを開き、母にもらった写真を見せる。



「可愛い〜! あと先輩若い! 何くんでしたっけ?」

「まめおくん。この時小2か小3だったから、10歳は超えてたかな」



私が生まれる前から市瀬家にいた、柴犬のまめお。

お兄さんのような存在で、よく遊び相手になってくれた優しいワンちゃんだ。



「わぁ可愛い。天使と天使のツーショット?」



スワイプして何枚か見せていると、突然頭上から声が聞こえた。



「目黒先輩……っ!」

「よっ。久しぶり」



顔を上げた先にいたのは、爽やかスマイルを浮かべた目黒先輩。

わわっ、女の子達の目が一気にハートに……!
さすがイケメン副部長。



「俺も参加していい?」

「いいですけど……」

「やったぁ。んじゃ、お邪魔しまーす」



持参した椅子を置いて、半ば強引に入ってきた。

犬グループは他にもあるはずなのに、どうしてここに来たんだろう。



「副部長は何の種類が好きですか?」

「どれも好きだけど、やっぱりデカい犬かな。あのどっしり感がたまんないんだよね」
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