猫目先輩の甘い眼差し
「うちの雷夜が本当ごめんね! 大丈夫? 個人情報は無事?」
「は、はいっ」
心配していると、お姉さんが目の前にきて私の顔を覗き込んだ。
どうやら険しい表情をしていたようで、せがまれているのではないかと思ったらしい。
一瞬冷や汗が流れたけど、修羅場にならなくて良かった。
「琳子……やりやがったな……」
「当然でしょ。好きな物をエサにして釣ろうってのが見え見え。下心丸出しで恥ずかしくないの?」
「はぁ⁉ なんだよその言い方!」
復活した先輩が声を荒らげた。
周りに人がいないのをいいことに、ヒートアップしていく。
どうしよう、別の意味で誤解されてる。
全然困ってないし、むしろありがたいくらいだって言わなきゃ。
でも、この弾丸が飛び交う中に、口を挟む隙間なんてあるだろうか。
下手したら飛び火が来そうだもんな……。
「コラそこ! やめなさい!」
ウジウジしていると、騒ぎを聞きつけたのか、一ノ瀬先輩が仲裁しに来てくれた。
「全然帰ってこないと思ったら……後輩の前だぞ」
「「…………」」