きみは桜姫。
昼休み。私は校舎裏に来ていた。
そこに谷口くんがやってきた。
短い黒髪に、黒縁メガネ。
谷口くんは、この進学校でもクラス1成績が良くて、頭がいい男の子だった。
「あの、三好さん……」
「谷口、くん?」
「あの、三芳さん、僕と、付き合ってください!」
「………え、谷口くん?……私のどういうところが好きなの?」
「すべすべの肌も、ふわふわの髪も、香りも、全部好きなんです!」
「そっか……ごめんなさい!」
「あ……」
「私、自分の容姿に自信がなくて。だから見た目がいいって言ってくれて、嬉しかった。でも……」
私はそこまで行って、はっとした。
「わたし……他に好きな人がいるから」
そうだ、私には好きな人がいる。なんで忘れていたんだろう。
新しい生活、新しい友達。それでも、私は……宙くんに会いたい。
家が近くなのに、スケッチブックをくれたあの日以来会っていない、宙くんに会いたい……
「そっか、ごめんね」
「こちらこそごめんね」
谷口くんのことは振ってしまったけど、なんだか自分に自信を持っていいのかな、とか思った。
そこに谷口くんがやってきた。
短い黒髪に、黒縁メガネ。
谷口くんは、この進学校でもクラス1成績が良くて、頭がいい男の子だった。
「あの、三好さん……」
「谷口、くん?」
「あの、三芳さん、僕と、付き合ってください!」
「………え、谷口くん?……私のどういうところが好きなの?」
「すべすべの肌も、ふわふわの髪も、香りも、全部好きなんです!」
「そっか……ごめんなさい!」
「あ……」
「私、自分の容姿に自信がなくて。だから見た目がいいって言ってくれて、嬉しかった。でも……」
私はそこまで行って、はっとした。
「わたし……他に好きな人がいるから」
そうだ、私には好きな人がいる。なんで忘れていたんだろう。
新しい生活、新しい友達。それでも、私は……宙くんに会いたい。
家が近くなのに、スケッチブックをくれたあの日以来会っていない、宙くんに会いたい……
「そっか、ごめんね」
「こちらこそごめんね」
谷口くんのことは振ってしまったけど、なんだか自分に自信を持っていいのかな、とか思った。