きみは桜姫。
6月。私はみんなの前でプレゼンテーションをしていた。

みんなの前でこうやって話せるようになるなんて、昔の私ならできなかったと思う。

「みなさん、脚本が書けたので台本を渡します」

私は台本を配った。

「薔薇の姫?」誰かが言った。

「はい。タイトルは『薔薇の姫』です」

あらすじはこういうものだった。

薔薇のお姫さまは、絶世の美少女。
色んな男の子から声をかけられていたけれど、何か物足りなくて、冒険の旅に出る準備をしてきた。

薔薇のお姫さまは、いばらの森に迷い込んだ西の国の王子様を見つけて、恋に落ちる。

西の国は、東の国の支配下にあって、
西の王子様は東の王子様の召使いをしていた。

西の国の王子様のお母さんである西の女王様は牢屋に入れられていた。

西の王子様は、お城を抜け出して、
西の国を助ける方法を探して旅をしている。

予言の巫女さんと出会って
彼女の道案内で一緒に旅をする。

色々な試練を乗り越えて
たどり着いたところは東の国だった。

強くなった西の王子様は、
東の王子様に決闘を挑む。

相打ちになる西の王子様と
東の王子様。

すると薔薇の姫の涙が西の王子様の傷にぽたんと落ちる。

すると西の王子様は生き返って

西の女王様も助けて、晴れて西の国は救われる。




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