きみは桜姫。
劇が終わり、ホールのロビーで私は、宙くんとお話をしている。

「あかり」

「宙くん、今日はありがとう!」

「あかり、すごかった……可愛かった」

「えへへ……」

「脚本も主役もあかりだったんだ」

「うん……あの、推薦されて」

「中学にあがって、楽しそうにしてるみたいで良かった」

「うん!ありがとう!」

「うん。あの……これ」
宙くんがそう言って渡してくれたのは、紙袋に入った、小さな花束だった。

「ありがとう!!」

「うん」

「あ、私、片付けとかあるから、これで」

「うん」

私は手を振って、宙くんを見送った。
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