きみは桜姫。
「…………桜がきれいだから

桜のお姫さまになれたらいいのに

………君が窓から遠いから

桜の香りを届けに行きたいのに…………


これでいい?風雅?」
宙くんは小さな声で尋ねた。


私は恥ずかしさとともに、
心臓のドキドキが止まらなかった。

宙くんの声は、もう声変わりを始めていて、
かすれた大人っぽい声だった。


その朗読は素晴らしかったけれど、

その素晴らしさは、私しか気づいてない……みたい。
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