きみは桜姫。
入学して数ヶ月が経った。
「カナエさん、おかげさまで、詩のランキング2位をとりました」
昼休みに私は、3年生の教室にお邪魔して、カナエさんと話していた。
「やったね!次は1位だね」
「1位は難しいんです。
2位と1位の壁は分厚いです」
「そっか。
まあ自分の詩を書いていくんだよ!
あのね、私、T芸術大学の音楽科を受けることにしたよ!」
「え!それって、日本一のエリート大学の……」
「うん。声楽のレッスンにも通ってるんだ」
「すごいです!頑張ってください!」
「うん。同級生とはどう?」
「はい。友達もそこそこいて、彼氏の宙くんもいるし、風雅くんとも仲良いし……」