きみは桜姫。
ガラッ
その時、タイミング悪く宙が入ってきた。
「風雅……何してんだよ」
宙は言った。
「見たらわかるだろ」
「大丈夫、宙くん、私何もされてない」
あかりがそう言うと、
「どうして嘘つくんだ、あかり」と宙。
「ううん。わたし、大丈夫。風雅くんにちょっと、壁ドンされたけど、びっくりしただけ」
「…………」
宙は黙っている。
「宙、殴れよ。前みたいに」
「殴らねえよ」
「ははは、はははは……」
俺は気がおかしくなったように笑った。
「おい、大丈夫かよ、風雅」
「俺は最初から壊れてるよ……」
「……そんなの関係ない。
風雅、今度ばかりは許さないからな」