きみは桜姫。
数日後、あかりは宙と俺を呼んで、
俺にルーズリーフを渡してこう言った。
「風雅くん、できたよ!宙くんも読んでくれる?」
「おお、いいね」
「3遍書いたの!」
「ふうん」俺は言った。
「実はね、カナエさんに言ったらね、
ちょっと怒ってたけど、曲書いてもらうこと言ったら、クリスマスの合唱祭のときに、カナエさんが歌ってくれることになって……」
カナエ。3年生の先輩で、
俺に告白してこなかった数少ない女子。
気の強い女で、支配できないようなタイプ。
って支配する前提で考えちまう。
「なんだか、どえらいことになってきたなぁ」宙は言った。