きみは桜姫。
「先生……久しぶりです」

「大きくなったねぇ。まあ、入り」
先生は俺を通してくれた。

俺は先生に、また作曲したいことを伝えた。

作曲していくだなんて、
決めたわけではなかった。

でも、そうまで言わないと教えてくれない雰囲気だった。


俺は先生に言われて、作った曲を渡した。

「あんたこんなんはあかんわ。いちから教えたげるさかい、うちの言うことをちゃんと聞きなさい。ええか。まずその頭なんとかし」


ということで俺は黒染めをすることになった。

先生は作曲をいちから教えてくれた。

俺に厳しくしてくれる大人は新鮮で、身が清められるような思いだった。
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