きみは桜姫。
次の日、私は美容院に来ていた。

「この髪、ベリーショートにして、ウィッグ作りたいんです」

「ヘアードネーションですね」

「あ、いえ、寄付するんじゃなくて、私の髪で作ったウィッグを、知人にプレゼントしたいんですけど……」

「わかりました。知り合いにウィッグの業者さんがいます。連絡をとってみますね。ショートのウィッグでも、30人分の毛束がいるので、ほかの毛にまぜることになりますけど……」

「そうなんですね、お願いします」

私は髪を短く切った。

とても軽くなって、なんだか不思議な気持ちだった。



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