きみは桜姫。
「母さん」

「今日も来てくれたのね、あかりちゃんも、ごめんね……」

宙くんのお母さんはもともと痩せているのに、さらにどんどん痩せていった。

ウィッグが今日出来上がって送られてきた。
私はその箱に、院庭に落ちていた桜の枝を結んで、宙くんのお母さんに渡した。

「あら、あかりちゃん……綺麗な桜。それにこの箱……これは何?」


箱を開けると、ウェーブのショートヘアーのウィッグが入っていた。


「まぁ!素敵。あかりちゃんは優しい子ね」

「喜んでもらえてよかったです」


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