きみは桜姫。
「あかり?朝よ?学校行きなさい」
お母さんは言った。

私は布団にくるまりながら、
「行きたくない……」と言った。

「何言ってるの、学校で何かあったの?」

お母さんにそう尋ねられたけど、
私はみんなからバイキン姫と呼ばれていることも、無視されていることも、話せなかった。

惨めで話しているうちにどうにかなってしまいそうだったから。
< 20 / 227 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop