きみは桜姫。
母さんが亡くなってから
1年と半年が経った。

俺はあるとき、思い立ってあかりに言った。



「あかり。俺のルーツをたどる旅に、
ついてきてほしい」

「ルーツ?」

「母さんと父さんが出会った街に行って、
2人が住んでた孤児院を訪ねようと思うんだ」

「……わかった。どこなの?」

「うん。日本海側の方で、県内だけど、
ここから5時間車を走らせたところなんだ」

「わかった。泊まりがけ?」

「うん。泊まろう。温泉もあるみたいだし」

「じゃあ私、旅館押さえておくね」

「うん、ありがとな」


こうして俺たちは、
俺のルーツを辿る旅に出ることになった。




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