きみは桜姫。
渡せるわけなんてないと思っていた。

「渡せてよかった……あかり?あの」

「なに?」

「あかりの詩は、素敵だよ」

「え?」

「あかりの詩は素敵だよ。
あかりはバイキンなんかじゃないよ。
詩、書いて欲しい」俺は言った。

「わかった」
その女の子の笑顔は、桜姫そのものだった。



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