きみは桜姫。
病院の待合室で、お姉さんは一緒に座って、塗り薬を出してもらうのを待ってくれた。

「大丈夫?家の人に電話する?」

「はい」


「……あの、お母さん?」
私はお母さんに電話をかけた。

「あかり、遅いけど大丈夫?何かあったの?」

「自転車で事故ってしまって……顔を10針塗ったの」

「え!大変!迎えに行くわ。どこなの?」

「奥原医院ってとこ」

「わかったわ」

「あの、親切なお姉さんに病院まで来てもらって」

「そうなのね。支払いはお母さんするから、そのまま待ってて」
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