きみは桜姫。
「もう!かわいい女の子なんだから顔に傷つけちゃダメだよ!跡になったらどうするの!」

「いいです。私の顔、この通り汚いですし、傷ぐらいついてもどうってことないです」

「そんなことないでしょ!」カナエさんの喋り方は怒ったように聞こえるが、これがカナエさんの普通らしかった。

「あのね!自分のこと大事にするの!女の子は顔に怪我しちゃダメ!わかった?」
「は、はい……」

お母さんがやってきた。

お母さんはカナエさんにお礼を言って、
私を車に乗せた。

「お大事に!落ち着いたら電話してね!」
カナエさんは言った。
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