きみは桜姫。

もうすっかり暑くなってきた7月。

「カナエさん!」今日私はカナエさんと待ち合わせをしていた。

「あかり!元気にしてた?傷治ったじゃん。よかったね!」じゃあ行こっか、とカナエさんが言って、私たちは有名な喫茶店、囲炉裏茶屋へ行った。

「へえ、あかりは小学校5年生なんだ」

「はい……でも今学校行ってないんです」

「え?なんで?」

「ちょっといじめられてて……アトピーのせいでバイキンとか言われたり」

「うん」

「詩を書いてるんですけど、それを冷やかされたりして……」

「そっかー。大変だったんだね」カナエさんは言った。

「私も小さい頃からアトピー持ちでさ。あかりのこと見て、私みたいって、思ったんだ」

「え?カナエさんが?」

「うん。そうだ!私が飲んでるサプリ、すごく効果あったんだ。回し者じゃないよ〜」と言って、カナエさんはサプリの名前をレシートに書いて渡してくれた。

「サプリ飲んで、良くなっていったんだよね。それで自信持って、大好きな歌を勉強したくて、合唱部に入ったんだ!」そう言ってカナエさんは、スマホで合唱の動画を見せてくれた。
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