西岡三兄弟の異常な執着~After Story~
バン━━━━!!!!
と部屋の扉が開き、三兄弟が帰ってくる。
朱雀が脇目も振らず、花苗に駆け寄った。

「花苗!!?」
「花苗!?大丈夫か!?」
「苗!苗!!」

「花苗様!今、先生をお呼びしてますので、もう少しの辛抱ですよ!」
森宮が花苗に声をかける。

数分後、医師が往診に来た。
「精神的なものからくる発熱です。
ゆっくり休めば、回復されますよ。ご安心ください」

医師の言葉に、肩を撫で下ろす三兄弟と森宮達使用人。
秀実だけは、どこかで“ざまぁみろ”と思っていた。

それから朱雀の部屋で三兄弟は、夕食をとることになった。
誰も、花苗から離れたがらないからだ。
「朱兄ちゃんも、食べなきゃ!」
「やだ!花苗から放れない!」
朱雀は、花苗を腕枕をして横になりずっと頭を撫でている。
「朱雀!お前まで倒れたら、どうする?
また花苗に心配をかけるぞ!」
「………わかった」
花苗を起こさないようにゆっくりベットを下り、黄河達の元へ移動した朱雀。

三人が夕食を食べている間、水樹と秀実が花苗の身体を拭こうとしていた。
花苗の身体を見て、水樹と秀実は固まる。
身体中、キスマークと噛み痕でいっぱいなのだ。

「これでも、羨ましいですか…?」
水樹が秀実にだけ聞こえるように呟いた。
心なしか水樹の声は、震えていた。

確かに、異常だ。
愛されていることに変わりはない。
しかし、あまりにも残酷だ。

きっとほぼ毎日、花苗は朱雀からの異常な愛を身体に刻み込まれているのだろう。

「そう…ですね…さすがに、辛いですね……」
秀実は、それしか言葉がでなかった。
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