西岡三兄弟の異常な執着～After Story～

この日は日中、何度も花苗に電話がかかってきていた。
｢だから、大丈夫だよ！
今、お昼ごはんも美味しくいただいたばかりで、いつも通り完食もしたんだよ！｣
『ほんとに？僕達が忙しいからって、遠慮してないよね？気を遣ったりしないでよ？』
｢うん、ほんとだよ！遠慮してないし、もう元気だよ！｣
『朱雀、大丈夫だ。後からカメラを確認すりゃあいいだろ？』
『そうだね！
…………じゃ、花苗。また連絡するね！』
電話口の後ろから黄河の声が聞こえてきて、その言葉に反応しながら朱雀が再度花苗に言い、通話を切ったのだった。

｢ふぅー｣
｢心配性な若様ですね！｣
｢あ、塩見さん。はい…心配してくれるのはとっても嬉しいんですが、なんだか申し訳なくて……｣
｢だいたい30分に一回の割合でかかってきてますもんね！｣
｢仕事、大丈夫なのかな……？｣
｢それだけ、愛されてるってことですよ！｣
塩見が微笑み言った。

｢はい｣
｢花苗様も、とても思いやりのある方だから、若様達も自然と花苗様には優しくなるんでしょうね！｣
｢え？そ、そうかな////？｣
｢あ、赤くなった(笑)｣
｢も、もう！からかわないでください！｣
｢フフ…｣
｢可愛い～花苗様！｣
｢斎藤さんまで…////｣
今日は塩見と斎藤の勤務日で、花苗は二人にからかわれていた。

最近、花苗と水樹、塩見、斎藤、野沢の五人は、かなり打ち解けていて、よく談笑している。
もちろん、三兄弟の前ではそんなことできないが、三人のいない日中はよく話しているのだ。

そこにインターフォンが鳴る。
｢花苗様、紫苑様ですよ！｣
｢え！？紫苑くん！
すぐ一階リビングに、通してください！｣

二階リビングにいた花苗。
とても嬉しそうに、リビングを出ていった。