西岡三兄弟の異常な執着~After Story~
あの後花苗を傷つけた不良達は、家族や親戚なども一緒にぼろぼろになぶられ、ネットにも色々晒され自殺したと聞いた。

「お願い!!紫苑くん、秀実さんを許してあげて?」

「許さないよ!」
「え……朱雀…?
黄河さん、真白くん」
再度紫苑に懇願する花苗の耳に、朱雀の声が響いた。

黄河と真白も恐ろしい雰囲気を漂わせて、三人はこちらへゆっくり向かって来ていた。

「花苗、俺達は怒ってるんだぞ!
なんで、もっと早く言ってくれなかった?」
「そうだよ、苗!
約束したよね?何かあったら、すぐに連絡してって!」

「花苗、僕も悲しいよ……
花苗の為なら何でもするっていつも言ってるのに、肝心の花苗が助けを求めてくれないんだもん!」
そう言って、腕の中に閉じ込めた。

「ご、ごめんね!
私、またあんな残酷なのを見たくなくて……
そ、それに!たまにはお掃除したりするのも、楽しいよ?朱雀とのお部屋を綺麗にするのも、なんか幸せ!
ほんとだよ?今度は、黄河さんや真白くんの部屋もしたいなぁなんて思ってた位!」
「花苗、可愛い~!
……でもね“アレ”を庇う花苗はやだ!!
花苗は、僕だけを見て、僕だけのことを考えなきゃダメなんだよ?」
今度は花苗の頬を両手で包み込み言った朱雀。

「ごめんなさい…お願い、怖いの…こんなこと……」

「フフ…大丈夫だよ?
花苗には、見せないからね!」
そう言って、花苗にキスをした。

「おい、水樹!塩見!
花苗を部屋に連れていけ!
絶対、部屋から出すなよ!」
黄河が鋭い目で水樹と塩見を見て言った。

「はい、かしこまりました。
花苗様、行きましょう」
水樹と塩見は黄河をまっすぐ見て答え、花苗を屋敷内へ促した。

「秀実さん、ご友人も一緒に屋敷の中へどうぞ」
森宮が秀実と友人三人を、屋敷内に促した。

「え?私達もですか?」
友人の一人が森宮に問いかける。

「は?当たり前です。貴女方は秀実さんのせいで、地獄に落ちるんですよ」
「嘘でしょ……!?」
友人三人は、青ざめ震えている。

「地獄に落ちるのは、本人だけじゃないんだよ?
周りの人間全て、地獄に落とす。
これ、西岡一族のやり方なの。
まぁ、元々は西鷹組のやり方なんだけどね!」
紫苑がニコッと笑って言ったのだった。
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