西岡三兄弟の異常な執着~After Story~
「考えたね!確かに、俺達にとって花苗ちゃんは“宝物”だもんね!」
「はい」

「しかし、やり方は汚ねぇな!!
なぜ、面と向かって花苗を傷つけないんだ?」
「そ、それは……」
「そんな勇気、お前にあるわけねぇか!」
黄河の言葉に、秀実は目を反らした。
図星だからだ。

「もう…終わりだね。兄さん、もうコレ消すね……」
「あぁ…」

「え……若様…?」
「最低なお前には、最低な俺が、より最悪な痛みを与えてやるよ……!」
「若…様……
━━━━━━━!!!!」
立ち上がった朱雀の表情は、言葉では表現できない程に恐ろしかった。

これが朱雀の、残忍で有名な西鷹組の組長・鷹志を恐れさせる恐ろしさの所以である。

黄河や真白、紫苑でさえも恐ろしいと思わせる朱雀。
三人は全く動けない。

三人でさえも動けないのだ。
秀実はもっと………動くどころか、ある意味息さえもできない。

朱雀はまず、秀実の喉を殴り潰した。
「がっ…!!!」
そして手を持って、反対に捻った。
ボキボキ……と嫌な音がして、骨が折れた。
「……………!!!」
秀実は喉が潰れていて、声が出ない。

そして爪を20枚全て剥がし、踏みつけた。
その後秀実が気絶してからも痛めつけ、秀実は亡くなった。

「はぁはぁ……また、殺っちゃった…
花苗に、嫌われるかな?」
朱雀がその場にへたりこんだ。

「「朱雀!!」」
「朱兄ちゃん!?」
みんなが駆けつけ、黄河と真白が朱雀の両側につき、紫苑が正面から朱雀の顔を覗き込んだ。

「でもね、ダメなんだ……」
「ん?」
「花苗だけは、放せないんだ……
花苗は僕の……命その物だから……!」



「そう……」
「ごめんね、花苗。
花苗のこんな姿見たら、もう……抑えられるわけないんだ……」
部屋に戻り、花苗に全て話した朱雀。

項垂れる朱雀に、花苗は抱きつき言った。
「私も一緒に、償うよ!
私は朱雀の妻だよ?
大丈夫。私は、朱雀から放れない!」

きっと警察に行ったところで、追い返される。
紫苑が死体の処理をしたはず。
だったら、もう……一生償い続けるしかない。

花苗は、そんな想いで朱雀を抱き締めていた。

「花苗…花苗……
大好き!!愛してるよ、花苗…」
朱雀も抱き締め返し、何度も花苗の名前を呼び続けた。
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