西岡三兄弟の異常な執着~After Story~
「花苗、ほんとにどうしたの?」
朱雀と花苗は、部屋に備え付けのバスルームにいた。
屋敷には、黄河、朱雀、真白の部屋にそれぞれバスルームがあり、それとは別に露天風呂がある。

バスタブに浸かり、朱雀が花苗を後ろから抱き締めている。
なかなか震えが止まらない花苗に、朱雀が後ろから顔を覗き込んで話している。

「もう少し、お湯を熱くする?」
「ううん。寒いんじゃないの。
秀実さんは、黄河さんの奥さんなんでしょ?
なのに、使用人って……
…………朱雀、お願い!黄河さんに一緒にお願いして!秀実さんを“普通”に受け入れてって!」
花苗は朱雀に向き直り、抱きついた。
そして肩に顔を埋めた。

「花苗」
「え?」
「なんで?」
「え……?朱…雀……?」
朱雀の雰囲気が変わった気がして、花苗は顔を上げ見ると朱雀の雰囲気が黒く染まっていた。

「花苗は、誰のモノ?」
「え?」
「花苗は、誰の、モノ?」
「す、朱雀…」
「だよね!
なんで、下衆の肩を持つの?」
「そ、そんなつもりないよ…」

「大変だ、花苗。
今日は、花苗寝れるかな?
僕、花苗を本当に食べちゃうかも?」

「え……や、やだ!もう噛まれるのは、嫌なの!
痛いし、怖い…」
「なんか、我慢できないからここで“食べる”ね!」
そう言った朱雀。
何の躊躇いもなく、花苗の肩を噛んだ。

「ひやっ!!痛っ!!!
………っつ…ん…やぁ…」
そして肩から出た血を舐めとる、朱雀。

「花苗の血って、美味しいよね?
声も色っぽくて、可愛いし…何よりその顔!ぞくぞくして、興奮する~
花苗、大ー好き!好きすぎて、本当に食べちゃいたい!」
「お願…もう、やめて……朱雀、怖い…」

「フフ…わかったぁ~
その代わり、もう二度とそんな胸くそ悪いこと言わないでね?僕、嫉妬で壊れちゃうから!」
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