西岡三兄弟の異常な執着~After Story~
「苗?どうしたの?
食べないの?」
花苗の動きが止まった為、真白が問いかけてくる。

「え?う、ううん。
た、食べるよ!美味しいね~」
途端に緊張しだした花苗は、フォークとナイフを持つ手が震え出す。

「苗、大丈夫?
顔も赤いし、体調悪い?」
真白の手が額に延びてくる。

額に触れた真白の大きな手。

いつもはあまり意識していなかった真白の手の大きさと触れる優しさが、更に緊張を誘う。

「真白く……大丈━━━━━キャッ!!」
緊張で手元が狂い、思わずテーブルの料理を落としてしまう。
ガシャーーーンと音がして、料理や割れたガラスが散らばる。
「ご、ごめんなさい!!」

ウエイターが駆けつける。
「花苗様、危ないですので少し離れててくださいね」
「す、すみません!」
「苗、こっち!」
真白が手を掴み、自分の方に引き寄せた。

「う、うん…」
「ほんと、どうしたの?」
「………/////」
「苗?」
「真白くんは、私にとって可愛い弟なの」
「うん」
「でも……今日の真白くん、大人の男性みたいでドキドキして緊張しちゃって……!」
「そうだったんだ!
俺、兄ちゃん達みたいにカッコいい?」
「うん、もちろん!」
「フフ…嬉しいなぁ~」
満面の笑みで話す真白。

「フフ…今度は、可愛い真白くんだ!」
花苗も微笑み返した。

その後、ゆっくり街中を歩く。
「苗、手ぇ繋ごうよ!」
「え?う、うん」
差し出してきた真白の大きな手を握る。

「なんかこうゆうのいいね!」
「うん…」

「………」
「……真白くん」
「んー?」
「真白くんは、恋人とか作ろうと思わないの?」
「俺は、兄ちゃん達や苗がいればいい」
「そっか…」
「だからさ…」
「え……」
グッと真白の顔が近づいてくる。
そして囁いた。
「また…デートしてよ…?」

「う、うん…////」
「苗も時々…色っぽい顔するよね?」
「え……?」
「そうゆう顔、朱兄ちゃんの前だけにしなよ?」
「え?」

「今のこの顔、凄く色っぽい。
顔を赤くして、目を潤ませて……
口唇も柔らかそう……!
朱兄ちゃんがよく言ってるんだぁ。
花苗の口唇は、柔らかくて食べたくなる。
とにかくクセになるんだぁ~って!」
そう言って、口唇をなぞられた。
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