西岡三兄弟の異常な執着~After Story~
それから数時間後、朱雀が再度目を覚ました。

「ん…なんか、苦し…」
花苗が、朱雀の上に跨がるようにして眠っていた。

「可愛いなぁ、花苗。
……………でも、ちょっと苦しい…」
ゆっくり起こさないように、花苗を横に下ろした。
そして肘枕をして、花苗の頬を手の甲で撫でた。

【私はもう……朱雀がいないと、本当に生きていけないみたい】
花苗の言葉を思い出す。

「フフフ……ハハハッ…!!」
思わず、笑いが出てくる。
「花苗、もっと、もっと、もっと、もーーーっと、僕に嵌まって依存して?
僕がいないと息ができなくなって!」

しばらくして花苗も起き、二人はベットの上でゴロゴロして過ごしていた。
「朱雀」
「ん?」
「朱雀」
「なぁに?」
「フフ…朱雀!」
「もう!何!?」
「呼んだだけー(笑)」
「えー(笑)」
そう言った朱雀は、サイドテーブルに手を伸ばして煙草を取った。

そして起き上がり、ベットの背もたれにもたれて煙草を一本咥えた。
「朱雀」
「んー?」
「煙草、吸いすぎだよ!」
「そうかな?
兄さんや真白の方が多いよ。二人はすぐに一箱吸っちゃうんだから!」
「うん、だから三人共だよ!」
「でも、我慢できない」

「…………うーん、じゃあ…遊ぼ?
リバーシ!私と勝負して?」
少し考え込んだ花苗が言った。

「勝負?」
「うん、私が勝ったら今日はもう吸わない!約束して?」
「いいけど、手加減しないよ?」
「うん!いいよ!」

「………」
「………」
「………」
「……フフ…朱雀が悩んでるぅ(笑)」
「うーん、ここ…だな」
「じゃあ…ここ!」
「え!?そこ!?」
「フフ…」
「悔しい!負けた~」

「やったぁ!!朱雀に勝てた~!」
とても嬉しそうにはしゃぐ花苗を見て、朱雀も自然と笑顔になる。

「可愛い、花苗」
「あ…なんか、ちょっと子どもっぽかったね…(笑)」
「ううん、可愛い!
それにしても花苗、上達したね!」

「あ…実は、真白くんにコツを聞いたの」
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