西岡三兄弟の異常な執着~After Story~
「黄河さん!勝負しよ?」
いつもの黄河に戻り、今は黄河の部屋でソファでゆっくりしている二人。

花苗は黄河にリバーシで遊ぼうと声をかけていた。

「何を賭けるんだ?」
「え?じゃあ…私が勝ったら、今日は煙草を吸っちゃダメ!ってのは?」
「煙草?」
「うん、みんな吸いすぎだもん!だから、今日は休肺日!」
「休肺日?」
「私が考えたの。休肝日は、お酒を飲むのを休むってことでしょ?」
「フフ…花苗は可愛いな。
わかった!じゃあ、花苗が負けたら今日の花苗のデザートはお預けだ!」
「望むところよ!」

そして進めていく。
「フッ…!!」
途中、黄河が笑い出した。
「え?な、何?急に」
「いや(笑)何もない!」
黄河は尚も、クスクス笑っていた。

「……???」
「じゃあ…ここだ」
「あ!じゃあ、ここ!!
やったぁー!!私の勝ち!!」
「フフ…俺の負けだ!」
「嬉しい~!朱雀と真白くんに自慢しなきゃ!」

「特に真白にはお礼を言わなきゃな!」
「え…!?
……………も、もしかして、バレてる……?」

「フフ…」
「やっぱ、バレてたんだ……」
「途中からな!
元々は俺が真白に教えたからな!」
「え!?そうなの?」
「あぁ。
真白がまだ中1くらいだったかな?
どうしても俺と朱雀に勝てないっつって、大泣きしたことがあるんだ。それで、俺が教えた。
俺や朱雀もだが、俺達三兄弟は成績で学年三位以下に落ちたことがないだろ?」
「うん、特に黄河さんは、常にトップだったんだんよね?」
「あぁ…だから真白は、同級生に何に関しても負けたことないんだ。
だから余計に悔しかったんだと思う」

「そうだったんだ!それを、真白くんが教えてくれたんだね!」
「あぁ、おそらくな!」
「…………あれ?」
「ん?」
「じゃあなんで、黄河さんは負けたの?」
「んー?」
「それを知ってたなら、黄河さん負けるわけないよね?」
「フフ…」
黄河は微笑むだけで、何も言わない。

「わざとに、負けてくれたの?」
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