西岡三兄弟の異常な執着~After Story~
「ここで待ってるからね!」
トイレの前で、花苗の頭をポンポンと撫でて言った朱雀。
「う、うん…」
「ん?早く行きなよ。
漏れちゃうよ(笑)」
「朱雀」
「ん?」
「大丈夫だよ」
「ん?」
「私は、朱雀から放れないよ」
「うん、わかってるよ」
「というより、放れられないの」
「うん!」
「だから、トイレにまでついて来るのは…」
「やだ!」
「朱雀…」

「不安なの!息ができないの!壊れるの!」
そう言われてしまっては、花苗もう何も言えない。


そして執着が強いのは、朱雀だけではない━━━━━


朱雀と花苗がトイレから戻ると、リビングに杉尾がいた。
「あ、杉尾さん!お久しぶりです!」
「花苗様、ご無沙汰してます。
お元気そうで良かった」

「杉尾!」
「はい、副社長様なんですか?」
「終わったんなら、帰れよ!
それにあんま、黄兄ちゃんに近づくな!」
「申し訳ありません。
しかし、もう少し会長様に確認していただきたいことがあるんです」
「だったら、早く済ませろよ!」

とにかく真白は、杉尾を嫌っている。
黄河が仕事上、杉尾を頼っているからだ。

そしてこうゆう日は、真白は黄河から頑なに離れない。
「俺も黄兄ちゃんと、同じ夕食がいい!」
「黄兄ちゃん!横!来て!」
「黄兄ちゃん!ゲーム相手して!」
と━━━━━━

「真白、悪いが俺はまだ仕事がある。俺のことが先だ!だから、待ってろ!」
「は?ダメ!!俺の相手が先!」
そう言って駄々をこね、黄河の持っている書類を取り上げるのだ。

「あ…真白くん!」
「何、苗」
「私と遊ぼ?ほ、ほら!スマホのゲーム!教えてよ!」
「今はやだ!後からね!」
「でも、黄河さんはお仕事があるから、その間だけでも……ね?」

「は?花苗は、僕の相手をするの!」
そこに朱雀が入ってくる。

もうこうなってしまうと、もう誰にも止められない。

「黄兄ちゃん!相手して!」
「花苗~僕を見て!」
「ちょっと、朱雀も真白くんも落ちつこう?」
「杉尾!これはどうなってる!?早くしろ!」
「も、申し訳ありません!」

「森宮さん!」
「はい、花苗様!」
「━━━━━━」
花苗は森宮に耳打ちした。

「はい、かしこまりました」
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