西岡三兄弟の異常な執着~After Story~
「真白、もうすぐ終わるから書類を返せ!」
「やだ!俺の相手して!」
「真白!ワガママ言うな!
仕事は例外だっていつも言ってるだろ?
俺の言うことを聞け!真白」
「そんな怒ることないだろ!?」

「真白くん、落ち着いて!?
ほら、一緒にゲームしよ?」
「だから!後から!今は黄兄ちゃんじゃなきゃ嫌なんだよ!?」

「花苗!!
花苗は、僕だけを見て!!
今日は寂しいの!
だから、キスしよ?」
「え……やだよ…お部屋に帰ってからにしよ?」
「やだ~」
そのままソファに押し倒した朱雀。
朱雀の顔が近づいてくる。

「お願…ここでは……」
「ほら…僕だけに集中して……」
「ンンン……」
「ん…美味しい……ほんと、クセになる…」
「や…朱雀……」
「可愛い…このまましたいけど、さすがにここではダメだからせめて首食べていい?」
「え……だ、だめ…」
「んーでも、花苗のその可愛い顔が“食べて”って言ってるよ?」
花苗は必死に首を振る。
心の中で花苗は“早く来て!”と願っていた。

「可愛い~花苗って、ほんと可愛い~
フフ…じゃあ、首いただきまーす!」


「もうやめろ!!!三兄弟!!」

「あ……紫苑、くん…」
「「「紫苑!!?」」」

先程花苗が森宮に頼み、紫苑にこの場を収めてもらうようにお願いしていたのだ。

「いい加減にしろよ!!
黄兄さんがいてなんでこんなことになってんの!?
朱雀も花苗ちゃんが困ってるし、真白だってワガママが過ぎる!
いいの?
このまま、花苗ちゃんを拐うよ!!
俺は三人なんか全く怖くないし、花苗ちゃんの為ならいくらでも戦うよ!」

「紫苑!!
言ったよな!?
俺から俺を取っていくなって!」
朱雀の雰囲気が黒く染まり、言葉やトーンが変わる。

「紫苑!!お前だってわかってるだろ?
花苗を朱雀から離したら、どんなことになるか……」

「だいたい紫苑、勝手に屋敷入りすぎ!
早く出ていけ!!」
黄河や真白も雰囲気が黒く染まっていた。

三兄弟と紫苑が睨み合う。

「だったら……頼むから、やめてよ…!
これ以上花苗ちゃんを、苦しませないでよ……!」

紫苑の切ない声が、リビングに響いていた。
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