西岡三兄弟の異常な執着～After Story～

｢━━━━━━━━━
もしかして……水樹さんは………｣

｢僕が、消した｣

苦しそうに顔を歪ませる朱雀。

｢そ、そんな……こと…｣
花苗も苦しそうに顔を歪め、次第に目が潤み出していた。

｢ごめんね、花苗。
水樹があんな挑発しなければ、僕は僕でいられた。
今更言い訳だけど、ギリギリまで我慢してたんだよ？｣
花苗の手を両手で包み込んだ朱雀。
顔を覗き込んで言った。
｢……挑発…？｣

｢僕は、花苗の為に自分を抑え込めるけど、花苗の為に自分を抑え込めないんだ。
花苗は僕にとって、命その物だから｣

｢水樹は、きっと……死ぬ気で俺達に会いに来たんだと思う｣
｢え？黄河さん？｣
｢だから、朱兄ちゃんをあんな挑発するようなこと言ったんだと思う｣
｢真白くん…｣

｢だから、水樹の望み通りに殺した｣
｢朱雀…｣

｢アイツは…水樹は逃げたんだ。
きっとこの先、花苗が俺達の異常な執着に囲まれて生きていくところを見たくなかったんだと思う｣

黄河の言葉が、リビングに静かに響いていた。
花苗はもう涙が溢れて、止まらなくなっていた。

｢水樹さん……｣

【花苗様は、甘いのお好きなので少しだけ大きくしてます(笑)】

｢水樹さん…！！｣

【花苗様、おこがましいですが…私は貴女の事を娘みたいに思ってます】

｢水樹さん！！｣
【花苗様！】
【花苗様ー！】

｢……………朱雀のバカ！どうしてあんな素敵な人を………｣
｢ごめんね、ごめんね！！花苗、ごめんね！！｣
花苗は朱雀の胸をおもいっきり殴る。
朱雀はその手をしっかり胸で受け止めながら、ひたすら謝っていた。

｢黄河さんも、真白くんも！
水樹さんのことは、信用してたでしょ？
どうして朱雀を止めてくれなかったの！？｣

花苗はもう涙で顔がぐちゃぐちゃだった。
それでも三兄弟に、想いをぶつけていた。

｢花苗、ごめんな…！｣
｢ごめんね、苗…｣


リビング内はしばらく、花苗の苦しい怒りの声と三兄弟の謝罪の言葉が響いていた。