日溜まりの憂鬱
 専業主婦になって5年。
 夫婦二人の生活。子供は今のところ問題先送りと言えばいいのだろうか。

 積極的に欲しいと思わないのは、子供が嫌いなわけではない。人との接触を極力持たない生活を送り続けているせいか、子供を介してのママ友付き合いなるものを自分がやっていけるのか、そこに自信が全く持てない。

 それが大きな理由の一つであり、他には今の生活を壊したくないという思いもある。ただ、修也が案ずるように自分の未来を考えると濃い霧に覆われ何も見えない。

 夫依存の菜穂にとって修也がいない生活は考えられない。
 修也の身に何かがあれば私はどうしたらいいのだろう。どう生きていけばいいのだろう。菜穂はいつもそれを思い、恐怖する。

 孤独死するか後追いでもするか、大袈裟ではなくその二択しかない。

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