日溜まりの憂鬱
 この昇華出来ない思いをどうしたらいいのだろう。
 むしゃくしゃして仕方がない。

 はあ、と大きな溜息を落としたときだった。ふと毒吐き用のアカウントを思い出した。そうだ、こういう時はSNSで蟠る鬱憤を吐き出せばいいんだ。

 菜穂は重たい身体を叱咤し、ソファから起き上がった。

 ここ一年ほど、自宅のパソコンには全く触れていなかった。最近はスマホのほうが便利だ。わざわざパソコンを起動させなくても手軽に検索も出来るし、アプリだって充実している。

 ふとパソコンに触れようと思ったのは、長文を打ち込むのはなんだかんだ事務経験が長かったこともあり、タイピングは手慣れている。

 久しぶりにデスクトップを立ち上げ、SNSのホーム画面を立ち上げた。アカウントとパスワードを入力しようとカーソルを合わせる。

 するとパスワードは【○○○○○】と伏せられているが、クリックさえしてしまえばログイン出来る状態だった。
< 46 / 47 >

この作品をシェア

pagetop