レムナント

「さぁ、明日は早いです。今夜はゆっくりお休みください。それと、アリス様のお身の周りは侍女のソフィアがお世話します。」

コンコン

ドアがノックされた。

「お、きっとソフィアですね。」

キース立ち上がると扉を開けた。

そこにはブラウンの髪を綺麗に三つ編みした可愛らしいアリスと同い年くらいの侍女が立っていた。


「ソフィアと申します。宜しくお願いします。」

「ソフィア、アリス殿のお召し物は?」

ソフィアは部屋に入るとクローゼットを開けた。

紺色の長いシンプルなドレスが既に掛けられていた。


「こちらにご用意致しました。」

「ご苦労。アリス殿、明日からこちらの洋服をお召ください。何か困った事があれば、私をいつでも呼んでください。では、明日またここへお呼びに来ます。」

そう言ってキースは部屋を後にした。


アリスは身体から力が抜けて、椅子に座った。


「アリス様、大丈夫ですか?」

ソフィアが心配したように駆け寄って来た。

「…大丈夫、ちょっと力が抜けちゃっただけ。。」

明日、もう王子と対面するんだ…

王子の事は社交界デビューの時に遠くからチラッと見ただけ…


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