レムナント

漢字(かんじ)漢字(かんじ)漢字(かんじ)
「アリスはウィーズリー家の1人娘なんだって？よく王宮に上がる事を両親が許したな。」

サンドウィッチを頬張りながらアランが言った。


「…母が勝手に決めたんです。。」

「ははっ、寛大なお母様だな。」

アリスはずっと気になってた事をアランに聞いてみることにした。


「あの、聞いてもいいですか。シド殿下ってご結婚されてましたっけ？」

「…ああ、ルーン様の事を聞いたのか？」


「お会いしました。昨日…」


アランは少し黙ると、コーヒーを一口飲んだ。

やっぱり、聞いちゃまずい事だったのかな…


「…アリスもこれからシド殿下の側で仕事をする訳だし知っておいた方がいいな。」


アランはコーヒーカップを机に置くと、アリスの方を向き、話を始めた。


ー6年前ー


シド 18歳

シドは当時王宮で働いていたルナという侍女と恋人関係になった。

ある日、ルナの妊娠が分かりシドは王や大臣にルナとの結婚を認めてもらうよう説得をした。

しかし、一国の王子と王宮の侍女との結婚など到底認められない。

話し合いは何ヶ月にも及び、2人の事は城中に広まった。

王族や貴族からは猛反対の声があがり、その批判に耐えきれなくなり、ルナは侍女を辞めて城を出た。

そして、シドと王室との話し合いは平行線のまま、ルナはルーンを産んだ。