レムナント
バタン!
すると、突然執務室のドアが開いた。
そこにはルーンがいた。
「ルーン様、どうしたんですか?」
アランが近寄って声をかけた。
「…パパは?」
「お父様はお仕事中ですよ。ルーン様も今の時刻はお勉強ではありませんか?」
ルーンは部屋をキョロキョロ見渡してシドがいないと分かると目を細くした。
そして、アリスに視線を向けた。
トコトコ近寄るとアリスの顔を見上げた。
「…だれ??」
「あ、アリスといいます。今日からお城でお仕事をします。宜しくお願いしますね。」
ルーンはふーんというと部屋の中の本棚をあちこち見渡し始めた。
「アリス、ルーン様を部屋まで送ってくれないか。」
「分かりました。ルーン様、行きましょう。」
アリスはルーンと手を繋いで執務室を出た。