レムナント
「…そういえば、私ルーン様の部屋を知らないや…」
アリスは部屋が分からず、ルーンと手を繋いで廊下をウロウロしていた。
「こっちだよ。」
ルーンはアリスの手を引いて歩き始めた。
それにしても王宮は広い。迷子になってしまいそうだった。
「…あ!ルーン様!!」
突然背後から声がして、振り返ると侍女が血相を変えてこちらに走って来た。
「ハァッやっと見つけた。。ありがとうございます。私はルーン様付きの侍女をしています、マリアです。」
マリアはゼェゼェとを息を切らしながら言った。
「初めまして…シド様の側近のアリスです。」
「ああ!貴方が!ルーン様、また執務室に行っていたんですね、よく行かれるんですよ…」
マリアはルーンを抱き上げた。
「さ、お部屋に戻りますよ。」
「またね、ルーン様」
アリスが手を振ると、ルーンは不貞腐れた表情をしながら、しぶしぶ大人しくマリアに連れて行かれた。