レムナント
ジェーンの屋敷に戻ると、今夜はもう休むようにアランに言われ、部屋に入った。
アリスは窓辺の椅子に腰掛けると膝を抱えて顔を埋めた。
シドの視線が、頭から離れなかった。
私、でしゃばってしまったみたい…
何か役立つ事をしなきゃとそればかり考えていた。
アリスはその夜、しばらく眠ることが出来なかった。
***
「出所を突き止める事は難しそうですね。兵を呼んで、隈なく調べさせます。」
アランはソファに腰掛けて酒を飲むシドに言った。
シドはグラスを揺らしながら何やら考え込んでいるようだった。
「…アリスには明日僕からよく伝えておきます。それにしても、あんな度胸があるなんて、驚きましたよ。」
アランは呆れたように笑った。
シドはグラスを置き立ち上がると窓の外を眺めた。
「…馬鹿な女だ。。」