レムナント
執務室に戻ったアリスは今日の予定を確認した。

やっぱり、舞踏会なんて予定にないけど…

「アラン、今夜舞踏会があるの?」

「そうだそうだ、言い忘れていた。昨日急遽決まったらしい。仮面舞踏会だ。」

仮面舞踏会…?

「隣国の王弟、ロイド様が今夜訪問するんだ。ロイド様とアドナ州の当主、ジェラルド様は昔から親しくて、王宮へ招くことになったんだ。」

「アドナ家というと国でも1.2を争う筆頭名門ですね。」

「ああ、そうだ。王室もアドナ家には口を出さない程、この国では重要な家だ。ロイド様と御子息のローズ様が来るんだ。」

ローズ様。
アリスは初めて聞く名前だった。

「…ローズ様のご要望で仮面舞踏会を開くことになったんだよ。」

アランは何故か嫌そうに言った。


「アラン様、アリス様。今夜のお召し物をお持ちしました。」

そこへメアドがドレスを持ってやって来た。

その中にはマスクもあった。

「成程、このマスクを付けるのね。」

アリスは随分と派手なマスクを手に取った。

「執務はそろそろ済ませて、アリスも準備をするんだ。」

「そういえば、殿下が今夜は側から離れるなと…」

アリスの言葉にアランはふっと笑った。

「あー、そうだろうな。まぁ殿下の言う通りにするんだな。」


???

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