レムナント
アリスは部屋に戻ると舞踏会の支度を始めた。
「ソフィア、仮面舞踏会ってどんな感じなの?」
「仮面をつけることで身分素性を隠して行われる舞踏会で、一般に行われる舞踏会よりも緩やかな感じですよ。王宮内ではとても人気なんです。」
そう言ってソフィアはアリスの腰にコルセットを巻いた。
「…ソフィア、ちょっと苦しいわ、、」
「我慢してください。今この形のドレスとても人気なんですよ。アリス様も流行遅れにならないようにしないと。」
そうは言っても、息をするのもやっとだ。
こんなに苦しいドレスが流行ってるなんて…
どうにかドレスに着替え、アリスも仮面を付けた。
「へー、これなら誰が誰だか分からないわね。」
この間の社交界デビューも礼儀やら作法やらで楽しむどころではなかった。
「だから人気なんですよ、仮面舞踏会。でもそのせいで、一方では風紀を乱すと言われる方も多いですけどね。」
準備を終えてアリスはシドの部屋に向かった。