レムナント
「シド殿下、ロイド様です。」
ジェラルドと話をしているロイドを見つけた。
「ロイド様、初めまして。シドです。」
「おお、貴方が。今日はお招きいただきまして。」
シドは仮面を外しとロイドは握手をした。
「いやはや、仮面舞踏会賑わっておりますな。我が国では最近仮面舞踏会が禁止されているのですよ。今夜は久しぶりに楽しませてもらいますよ。」
ロイドは上機嫌で人々の中に入って行った。
「ジェラルド殿。ロイド様を招いて頂いて感謝する。」
シドはアドナ家当主のジェラルドにお礼を言った。
「いやいや、私の家にロイド様の姪の娘が勉学のために我が家に下宿する事になりましてね。ハザド国と繋がりが持てれば国のためにもなりますでしょう。まぁ、この話はまた別の機会に。硬い話は抜きにして楽しみましょう」
ジェラルドが去ると、シドは一息ついた。
「…ジェラルド様にはまた王宮に来て頂いて話を進めましょう」
キースの言葉にシドも頷いた。
「シド様。」
すると、シドの背後で女性が名前を呼んだ。
アリスも振り返ると、そこには派手なドレスに仮面を付けた1人の女性が立っていた。
「ローズ殿。」
ローズと呼ばれた女性は扇子を手に、ゆっくりとシドに近づいた。
「お久しぶりです。シド殿下。」
「久しぶりです。」
仮面を付けているが、シドはどこか浮かない表情をしているようだ。