レムナント
「ふぁ、気持ちいい。」
外に出ると夜風が気持ちよかった。
アリスは手を伸ばして空気をめいっぱい吸い込んだ。
すると、男性がアリスの腰に手を回した。
「美しい方だ。ぜひ仮面を取って顔を見せていただきたい。」
「えっ、らめですよ。仮面舞踏会なんだから…」
なんか、身体がふわふわする。。
アリスの頬は赤く染まり、呂律もうまく回らず身体が熱くなった。
なんか、息が苦しい…
締め付けられたコルセットに手を当てた。
苦しくて、息ができない…
「どうしました?」
「この、ドレスがキツくて、息が苦しい…」
「おおっ、ではわたしが脱がせて差し上げよう…」
男性がアリスのドレスに手を飛ばした瞬間、
バシッ
シドが男性の手を掴んだ。
「…悪いが私の連れだ。手を出すな。」
シドが鋭い眼差しで睨みつけると、男性はその場から慌てて逃げ出した。
「んん〜苦しい。。」
酔っ払っているアリスを見てシドは溜息をついた。
***
「お、おい、アラン。あれ殿下じゃないか?抱えてるのは…アリス?!」
会場からアリスを抱き出て行くシドを見つけてキースは驚き声を上げた。
キースの言葉に隣にいたローズも出て行くシドの姿を見た。
「シド様…」
ローズは抱えられたアリスを見て持っていた扇子をぎりっと握りしめた。