レムナント
「…煩い。」
「だ、だってだって!脱がせてと言われて脱がせるなんて…」
アリスは自分の体をぎゅっと抱きしめた。
じゃあ、殿下に私の裸が見られたって事…?!
「私…もう、お嫁にいけない。。」
アリスは落胆するとその場に座り込んだ。
「くっ、ははははっ」
すると突然シドが笑い出した。
アリスはビックリしてシドの顔を見上げた。
あの冷酷な殿下が…
いつも何もかも面白くないと言うような顔している殿下が…
「笑ってる…」
シドはアリスを見ると、咳払いをした。
「見られて減るものもないだろ。」
「なっ!殿下といえどサイテーです!!」
シドはふっと笑みを漏らすと、ベッドに入った。
「ななな、何してるんですか…」
「一眠りするんだよ。昨日アリスが俺のベッドを占領してたんだろ。」
シドはそう言って毛布を被った。
「一時間後に起こせ。」
アリスは眠りについたシドを見て拳をギリギリと握りしめた。
ん…ちょっと待って、、今…
私のことお前じゃなくてちゃんとアリスって名前で呼んだ。。。
アリスはベッドの側の椅子に腰掛けて、背を向けて眠るシドを眺めた。
一様名前は覚えてくれてるみたいね。
裸を見られたのはサイテーだけど、なんか少しだけ話しやすくなったみたい。
「ふぁ、」
まだ、眠い………
アリスもベッドに伏せて眠りについた。