レムナント

アリスは着替えを済ませて執務室に向かった。


「アリス、落ち着いたか?」

「はい、お騒がせしました。」

「側近になって早々、殿下のベッドに寝たのはアリスが初めてだよ。」

アランは笑いながら書類にサインをした。


「…すみません。。でももう笑わないでください、、」

あんな姿を殿下やアランにまで見られて、本当に恥ずかしい。。


「悪い悪い。でも本当にウケたよ。アリスは酒に弱いんだな。」

「殿下にもかなり笑われました…」


アリスの言葉にアランは羽ペンを置くと驚いたようにアリスの方を見た。


「…殿下が、笑ったのか?」

「はい…もうこの話は辞めましょう。思い出しただけで顔が熱くなります。。」


アランは恥ずかしがるアリスを見てふっと笑った。

「…へぇ、あの殿下がね。」


アリスは昨日の事を考えないように目の前にある仕事に没頭した。

午前中丸々と休んでしまったので、机には既に沢山の書類が溜まっていた。

仕事に没頭しすぎて、お昼を食べるのも忘れて気が付いた頃には既に陽が沈み始めていた。


< 59 / 98 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop