レムナント
会議が終わるとアランとキースは2人で廊下を歩いた。
「バズ殿は相当痺れを切らしているな。」
アランは先程のバズの様子を思い返し深く溜息をついた。
「ああ。それに女官長のシャロン夫人からも殿下が後宮に訪れないとたいそうお怒りだ。」
キースは窓の前で立ち止まると、よく晴れた青空を眺めた。
「…しかし大臣達はよく殿下に正妃を迎えろなどと言えるな。」
「全くだ。」
***
「よし、今日はこれを全部片付けよう。」
アリスは机に新たな仕事をドンと置いた。
今日は午前中潰してしまったので、遅くまで残って片付けてしまうことにした。
それにしても、この量の仕事をアランはほとんど一人でこなしていたと思うとすごい。
キースがフォローしてくれていたとは言え、大変だっただろう。。
バタンっ
そこへ、扉が勢いよく開いたかと思うとルーンが泣きそうな顔で立っていた。
「ルーン様…どうされました?」
ルーンは走ってアリスに抱きついた。
「眠くないの!」
そう言うルーンに、アリスはくすっと微笑んだ。
「寝たくないんですか?」
ルーンはアリスの胸に顔を埋めたまま、首を縦に振った。