レムナント

翌日ー

アリスはルーンの部屋をノックした。

中に入るとまだシャロン夫人はいないようだった。

「アリス様、どうしました?」

部屋の片付けをしていたマリアが言った。


「殿下がルーン様と庭を散策したいとの事で、お連れしてもいいですか?」

「殿下が?珍しいですね…」


「やったー!」

ルーンが嬉しそうにアリスの周りを飛び跳ねた。


「さぁ、行きましょう。」

アリスはルーンと共にシドの部屋に向かった。


***

「アリス!」

途中、後ろからアランに呼び止められた。


「どこに行くんだ?」


「殿下がルーン様とお庭を散策されるのでお連れするんです。私も同席しろとの事なので…」

「俺も行く。」

何故か着いていくというアランにアリスは首を傾げた。
三人でシドの部屋に着くとルーンは勢いよくドアを開けた。


「パパ!」

ルーンは走ってシドの胸に抱きついた。


「殿下、僕もお供します。」

アランの言葉にシドは何も言わずにルーンを抱き上げた。
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