レムナント
「シド殿下とシャロン夫人じゃ合わないな。」
シドの部屋に戻る途中、アランがつぶやいた。
「そうですね。。」
すると、しがみついていたルーンが顔を上げた。
「今日はもうお勉強ない?」
そう聞いてくるルーンにアリスはくすっと笑った。
「今日はお勉強はしなくていいみたいですよ。」
すると、ルーンはとても嬉しそうに笑った。
こんな小さい子が毎日勉強ばかりだなんて、可哀想だわ。。
本当はもっとシド様と一緒にいたいはず…
コンコン
シドの部屋の中に入ると、ルーンはアリスから降りて走って行った。
「パパ!本読んで!」
「執務が終わったらな。それまで部屋でいい子にしていなさい。」
シドはルーンの頭をポンポンと撫でた。
「殿下、少しいいですか。」
アランは結婚相手の候補が書かれた書類をシドに差し出した。
「…またバズ達か。毎度しつこい。」
一気に機嫌が悪くなったシドにアランは表情を曇らせた。
「そろそろ逃げきれなくなってきていますよ。目を通すだけでもして下さい。」
シドは椅子に腰掛けると、書類をぱらぱらと見た。