レムナント
「アリス、これ読んで?」
ルーンは絵本をアリスに差し出した。
「いいですよ。」
ルーンはちょこんとアリスの膝に座ると、嬉しそうにニコニコと笑った。
1冊読み終わると、次はこれとまた違う絵本を持ってきた。
結局、5冊の絵本を読んで6冊目を途中までめくっていると、ルーンの目はだんだん重くなり眠ってしまった。
アリスは起こさないようゆっくりと本を閉じると、ルーンをソファーに寝かせた。
スヤスヤと眠るルーンの頭を優しく撫でた。
髪の毛サラサラだ…
ふと、アリスはルーンが首からかけているペンダントに気がついた。
そっと触れてみると、古いもののようで所々剥がれている。
どうやら写真を入れるタイプのペンダントのようだ。
殿下の写真を入れているのかな…
アリスは中を開けようとしたが、手を止めた。
勝手に見ちゃダメよね…
コンコン
すると、そこへシドが入って来た。
「公務がひと段落した。アリスは下がっていい。」