レムナント
シドは寝ているルーンの隣に座り寝顔を眺めた。
「…殿下、今日は時間をとってくださりありがとうございました。」
アリスが頭を下げて礼を言うとシドはふっと小さく笑みを漏らした。
「…どうして君が礼を言うんだ。」
「あ…いや、、ははっ。では失礼します。」
確かにそうだけど、嬉しそうなルーンの顔を見れてアリスも嬉しかったのだ。
シドの部屋を出ると、ふぅと一息ついた。
さ、アランに仕事押し付けたままだわ。早く戻らなくちゃ。
***
「戻りました。アラン、ありがとう」
「おう、ルーン様は楽しまれていたか?」
アリスは席に座るとぐるっと肩を回した。
「ええ、とても。」
「殿下も昔はルーン様と過ごされる時間を取っていたが最近ここが落ち着かず、時間を取れていなかったからな。」
アランの言葉にアリスは少し考え込んだ。
「じゃあ私、もっと頑張ります!そうすれば殿下とルーン様の時間も取れますよね。」
「おいおい、またこの前みたいに無茶すると殿下に怒られるぞ。アリスはやるべき事を無理なくこなしていくだけだ。」
アランに言われてアリスはしゅんと黙り込んだ。
そんなアリスにアランはふっと笑った。