レムナント
「アリス、怖いなら僕の部屋で寝る?」
「大丈夫です!」
ルーンに心配されアリスはムキになって答えた。
廊下の窓に雨がバシバシと音を立てて当たっている。
ピカッ!!
強い光が廊下の先まで明るく照らした。
ゴロゴロゴロゴロ!!
「…きゃー!!!」
アリスは思わずルーンを抱きしめてその場にしゃがみ込んだ。
***
ブルブルと震えながらルーンを抱きしめた。
暫くしてルーンがアリスの肩をトントンと叩いた。
「…アリス、大丈夫?」
ルーンの言葉にハッとして顔を上げた。
「…ルーン様っ、ごめんなさい。。」
「何している?」
すると、背後からシドの声が聞こえた。
…まずい、、今の見られた……?
「パパ!」
ルーンは走ってシドの胸に飛び込んだ。
「ルーン、今夜は一緒に寝るんだ。」
シドはルーンを抱き上げた。そして、しゃがみ込むアリスを見た。
「ねぇパパ。アリスも一緒でいい?」
ルーンの言葉にアリスは立ち上がった。
「申し訳ありません殿下!ルーン様をお連れするところでした。では、私はこれで…」
ピカッ!ゴロゴロ
「…ゃっ?!」
再び鳴った雷にアリスは両耳を手で塞ぎ身体をビクッとさせた。
そんなアリスを見てシドは小さく溜息をついた。
「…お前も来い。」
「えっ?いや、」
「早く」
ギロリと睨みつけられアリスは大人しくシドの後をついて行った。